障がいのある方の入居

最近、障がいのある方にご入居いただきました。持病の悪化により手術入院により障がい者となられて、職も失われ、退院後はおそらく病院からの紹介と思われる老人ホームにお住まいの方でした。

まだ現役世代の方なので、毎日接する周囲の人のほとんどが恍惚の世界に行ってしまっている環境で暮らす事がお辛かったのではないかと思います。

チンシャクニンオオヤは大家業初心者ですので、障がいのある方に住居を提供することは初めての経験です。

当然、不安はありました。ご入居にあたり、室内外の改装が必要な事、持病の悪化による万一の事態。収入もなく、申請中の障害年金が自立した一人暮らしに十分な額支給されるのか。などなど、いろんな不安要因があります。

幸い貯金がおありでしたので、保証会社の審査は通りました。私の方針として、保証会社の審査を通った方は受け入れる方針でしたので、ご入居頂くことにしました。

しかし、その持病で手術をされた方の1年後生存率は60%、5年生存率は50%ほどで、五年の間にざっと半分の方はお亡くなりになる計算です。

投資家として、経営者としての判断をするのであれば、ご入居を拒否する十分な理由があるケースだったと思います。しかし、大家業には社会的な使命もあるはずです。

自活の意志があり、適切な支援によってそれが可能になる方が施設を出て地域で自立生活を行う事は、トータルでの社会コストを低減する重要な意義があるのではないかと考えます。

とはいえ、大家業はビジネスであってボランティアではないので、社会貢献は大事ですが、それは、当然に経営として成り立つという前提の上での貢献であるべきです。そこのところはキレイ事だけでは割り切れない訳です。

今回の場合は、この入居者様を受け入れる事で、経営上のメリットがどれくらいあり、また想定されうるリスクが保険や設備面でどれくらいヘッジが可能かという点を天秤にかけての判断となります。

経営上のメリットは、一般的な大家さんが拒否する方を受け入れる事で、近隣の似たような多数の物件と差別化が出来るという点です。特に、入居付けして下さる不動産会社様にとっては、あれこれ注文をつけて入居を拒否する大家さんより、誰でも受け入れる大家さんの方を優先してくれるのではないかという期待もあります。

私のアパートのある地域は、茨城県の常磐線沿線の中では比較的まだ賃貸需要のある地域ですが、バブル頃に多量に建築された単身者向けアパートが完全に供給過多になっており、以前の記事でも触れましたが、家賃はほぼ下がるところまで下がりきっており、条件にしても、例えば「猫可」にしたところで、周囲の似たようなアパートが皆猫可になっているので、既に差別化できない程に競争が激化している状況にあります。

ということで、大家からは御入居の条件として、警備会社による高齢者見守りサービスに借主負担でご加入いただく事としました。万一容体が悪化し、自力で救急車が呼べない時は、自動的にかかりつけ医と警備会社に連絡が行くというものです。

また、最悪の場合に備えた保険にも加入しました。コストはかかりますが、保険でかなりのリスクはヘッジできると思います。

さて、ご入居にあたり、入居者様も条件に納得されたので、見守りサービス用端末の工事日程などを業者と詰めながら、ここ数日準備を進めてきたわけですが、これが一筋縄ではいきません。

この入居者様、工事日のドタキャンや電話連絡拒否等、いろいろやってくれます。その辺は持病の特性から予想は出来たので、それもこれも覚悟の上でご入居を引き受けたのですが、そうはいっても心中穏やかではない状況にはなります。

特定の疾患の患者一般に対してステレオタイプなレッテル貼りで批判することは、厳に慎まねばなりませんが、取り返しのつかない状態まで病状を悪化させてしまう患者個人とお付き合いすれば、性格的な特徴が共通してみられる場合があります。

そんな入居者様に日々大家力を鍛えていただいていると前向きに感謝です。これをモデルケースにして経験を積み、勉強すれば、健康に不安のあるご高齢の申込者にも対応できそうです。

 

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